けんてぃー大学

20代の国立大学職員による仕事のことその他関心があることの書き散らかしブログ

大学という「教員のレジャーランド」

大学教員の実態について、下のような記事がありました。

大学教員のサボリ横行に「毎日来るように」と学長の通達例も│NEWSポストセブン

「大学のレジャーランド化」とは学生が勉強せず遊びやアルバイトに明け暮れる姿を揶揄した、30年以上前からある表現だ。
 だが、「むしろ大学は教員のレジャーランドである」

実際に大学で働く私からしても、まさに「大学は教員のレジャーランド」であると思います。

まさに、教員にとってのユニバです。大学(university)だけに。

この記事を見ていきながらその実態に迫ります。

 

 

1.研究しない研究者

「日本の大学は世間の持つイメージとは違ってぬるま湯に浸かりきっています。まず『研究しない研究者』が少なくない。ある有名私立大学の文系学部では、生涯に2本しか論文を書いていない教授が複数います。助手・助教から准教授に昇進する時に1本、教授になる時に1本論文を書いているだけ。

 自然科学系では生涯に300本以上、文科系でも150本の論文を発表する研究者もいますから、論文2本の教授などおかしいはずですが、残念ながら特に文系学部では決して珍しい存在ではありません」

 いやもうまさに!ほんとに珍しくないんです、研究しない教員。

この他にも、少ないながらに筆頭著者として発表している論文が、自分で研究したわけではなく学生その他研究室のメンバー達の研究結果をまとめただけのもの、ということもあります。

 

大学教員は、テニュア(終身雇用)教員の身分を手にいれるまでは不安定でとても大変です。これは、以下のリンクが参考になります。

一度なってしまうと抜け出せない?! 今も深刻な「ポスドク問題」|転職Hacks

博士にまでなったのに、なぜ報われないのか | 学校・受験 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

しかし、いざなってしまえばこっちのものと言わんばかりに、研究を全然しなくなる人がいるのです。最初はやる気があっても、途中で燃え尽きたように研究への情熱が無くなる人も少なくありません。

 

2.教育しない教育者

「一般的な私立大学の場合、教授に最低限のものとして課せられる授業数は平均して1週間に5コマです。1コマ90分ですから450分。それ以外の時間に何をしているかは大学側は把握しきれない。講義のない日に学生が研究室を訪ねても教授が不在ということは少なくありませんが、これは『自宅研修』という制度が認められているから。大学教員は自宅で書籍や論文を読むといっておけば、大学に来なくてもいい。監視の目のないところで好きなことができるのです。
 
 ある地方の市立大学の教授から聞いた話では、医学部出身の学長が自宅研修の多さに業を煮やして『教員は毎日大学に来るように』と通達を出したことがあるそうです。

これもあるあるですね。全然大学に来ない教員。います。

そもそも、教育に熱心な教員は多くはありません。研究に熱心な教員より、遥かに少ないです。テニュア(終身雇用)教員の選考で審査・評価されるのは研究実績ですし、大学教員は昇進や所属学会などの評価において、教育実績はほぼ関係なく、研究実績の方が重視されるためです。

教育がダメな教員は、授業を半分ほどの時間で切り上げたり(職務放棄)、試験は教科書(自著の本を強制購入)持ち込み可でほぼ100点だったり、過去問が手に入れば100点(同じ内容)だったりします。授業もボソボソとメリハリなく、独り言を延々としているかのようで、面白さの欠片も無いような授業をする教員も多いです。

そりゃー学生も真面目に授業受けませんよね、授業はつまらなくて、聞かずに単位取れちゃうんですから。

 

3.学務(大学運営)をしない教員様

これは上記の記事にはない、大学職員という立場からの意見です。

大学教員の仕事は、上記の研究・教育だけではありません。所属する組織(大学、キャンパス、学部等)の運営に関する仕事もあります。イベント・行事の企画運営や、学内委員会等の組織運営もあります。それに伴い、各種個人間の調整や書類作成があります。事務職員がすべき業務もありますが、教員がすべき業務も当然あります。

しかし、これを極力やらない、事務職員に押し付けてくる教員がいます。職員としてはこつ然とした態度で「それはあなたがやるべき業務です」と言うべきです。 しかし、大学に流れる 教員様>職員 という空気感の中、それが難しい面はあります。ちなみに過去に私はそれを言ったら、謎に上司に注意されました(^_^;)

その後、そういった場面になったときに、上司にそれを言っていいかを確認すると、大体渋い顔をされます。

そんな風潮が変わらない限り、教員の増長は止まりませんね。

 

4.おわりに

せめて上記の3つの仕事のどれか一つでも熱心にしていれば良いのですが、どれ1つ熱心にしない教員が珍しくないというのが悲しいところです。

そして、仕事をしないぶん暇なので、本質から外れた細かいことの指摘に熱を入れたり、くだらない派閥作りで政争することに力を入れ始めるのです。

大学への貢献が給与に反映されないため、そのような教員であっても高給取りであり、解雇したくても、身分保障が強いため解雇できないといった悲しい状況です。

もちろん大学には尊敬に値する教員もいます。その人たちが、こういった人たちのせいで足を引っ張られるのが残念でなりません。

「教員のレジャーランド」が解体される日は来るのでしょうか。