大学職員は学生と関われるか?
こんにちは、けんてぃーです。
さて、大学職員を志す方が、志望動機としてよく次のように言われます。
「自分が学生の時に職員さんにサポートしていただき、感謝した。今度は自分が学生をサポートしたい」
果たして上記のような仕事を入職後にできるでしょうか。
今日のお題目
大学職員には多くの業務種類がある
まず、大学事務職員には多くの業務種類があります。
代表的なところでいくつか例を挙げると、以下のようなものがあります。
・総務系
・財務系
・学生支援系
・研究支援系
・情報系
・国際系
・医療系
医療系は医学部と附属病院があるところに限定されますが、概ね以上のような括りになっています。私が学生の頃にこれを知ったとき、業務の幅の広さに驚いたものです。
詳細は以下のパンフレット等参考になるでしょう。
東北・北陸地方のものですが、基本的にどの地域でも同じです。
国立大学法人等 職員業務案内 2018 総合案内パンフレット
学生と関わるのは基本的には学生支援系
上記の中で、学生と積極的に関わるのは基本的に学生支援系となります。
学務とか教務とか、奨学金とかのあれです。
そういう人たちは日常的に学生と関わることができます。
その他の業務系では、ほとんど直接的に関わることはありません。情報系で図書館勤務になることがあればその時くらいでしょうか。
そもそもが学生が基本的に足を運ばない建物に事務室があったりします。
学生と関わることがあるといえば、学務の部屋と同じ部屋で仕事をしているケースで、学務系の職員が不在の時くらいでしょうか。
オープンキャンパスや入試で駆り出されることは多いですが、そういう時に接するのは自大学の学生ではなく高校生がほとんどですね。
学生系でないと、何時から何時に講義があるか、いつが試験日程なのか、いつから春休み夏休みなのか知らない、分からないという人も少なくありません。
学生支援系の職員比率はせいぜい20%程度
では学生系の職員比率はというと、20%もあればいいほうです。
規模の大きな大学になるほど、この数値は低くなっていく傾向があるでしょう。
私が学生の頃の印象ではぼんやりと60%くらいは学生系と思っていましたが、学生が見えないところで職員はいろんな仕事をしています。
学生系に配属になるのか?
さて、それでは学生系に必ず配属されるかと言うと、そうではありません。
人事異動では自分の希望はほとんど叶えてもらえません。定年まで学生系にいたことがないなんてざらにあります。
最初は基本的に様々な業務を経験させる方針の大学が多いですが、ある程度の職歴を積むと、総務畑、財務畑などと言われるように異動範囲が同じ業務系に限定される傾向があります。
中には、附属病院から出たことがないという人もいます。大学で働きたくてこの仕事についたのに病院でしか働いてない、、という状況もありえるのです。
ちなみに、学生系は新規採用者からは人気ですが、現職の人たちからは不人気の傾向があります。これについては後日書けたらと思います。
おわりに
というわけで、大学職員になったからと言って、学生と関わっていけるとは限りません。むしろそれ以外の仕事をする時間のほうが遥かに長い可能性が高い職業です。
大学職員のほかの仕事との違いの一つには、この「学生と関われるチャンスがある」ということがあると思っています。可能性とエネルギーに満ち溢れた若者と関わり、その成長に携わるのはワクワクすることです。
個人的には、できるだけ学生と価値観が近い若い時、そして若者と価値観が大きく離れる40~50代くらいの段階では、必須で学生系を経験させるのが良いのではないかと思います。大学で仕事をしている実感が湧き、職員の能力や感性の向上に繋がると考えるからです。
まあほかの業務もありますし、人事はそう簡単ではないのでしょうけどねー。